夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

Sunday

第364夜

改札出ると、駅前は私と同じ制服を着た高校生たちで溢れていた。私はいつも昼過ぎに登校している身分だから、他の生徒と同じ時間帯に登校出来ているという事実に感動した。生徒たちの人波に飲まれながらも、なんとか学校まで到着すると、1階のエントランスホ…

第357夜

結婚式に参列した。新郎新婦は全くの赤の他人だったが、招待されてしまった手前、参加する他ない。式場には私も含め、着飾った数百人の参加者たちがグラスを片手に歓談しており、満員電車の如く混み合っていたが、彼らの頭上3メートルほどのところに突如、大…

第350夜

ある立食パーティに出席した。ドレスアップした大人たちがホールに集まり、軽食を片手に穏やかに歓談している。瞬間、1人の招待客の左耳が、バチンという破裂音と共に弾け飛んだ。途端にホールには悲鳴が沸き上がり、みんな、次は自分の耳が爆発するのではな…

第343夜

体長2メートル近いゴールデンレトリバー3匹を、順番に撫で回す。 8時間58分13秒。

第336夜

虚無。 5時間14分35秒。

第329夜

虚無。 6時間52分24秒。

第322夜

小さな犬がいた。駅前ロータリーに、体長15センチほどの真っ黒なトイプードルが、まるでぬいぐるみのように、地面に伏せて座っていた。ロータリーの反対車線に、犬を飼っている友人の姿が見えたので、私は、もしかして友人の飼い犬が脱走したのかも、と思い…

第315夜

虚無。 5時間12分28秒。

第308夜

その村は、山の頂上、木が切り倒された開けた場所にあり、村人100人ほどが、まるで全員が家族のように仲良く暮らしていた。私は、その村の長の一人娘で、毎週末、村の祭事があるたびに、巫女の格好をして、自分の唾液を茶碗に出し、村人たちに配って周った。…

第301夜

虚無。 5時間29分58秒。

第294夜

大きな舞台の舞台袖にいた。薄暗い空間には、頭上から何枚もの暗幕が垂れ下がり、天井から照らしているスポットライトが、木漏れ日のように、床に所々光りの円を描いている。散らばっているスポットライトの円のうち、どれかひとつ、正解の円に足を踏み入れ…

第287夜

音楽の授業が終わり、クラスメイト全員で音楽室から教室まで戻って来た。今日はこの後、1階のロビーでクリスマス式典が行われるので、教科書を置いたら、また直ぐに教室を出て、クラス全員で1階まで駆け降りて行った。 ロビーは3階まで吹き抜けの広い空間で…

第280夜

虚無。 7時間19分0秒。

第273夜

相棒と2人1組のペアで、ドラゴンと戦うミッションが与えられた。相棒とは「明日10時半に、学校の昇降口に集合ね」と約束していたのだが、時間になっても相棒の姿が見えない。私は相棒を探すために、彼女がいつも学校帰りに通っている塾まで行ってみることに…

第266夜

虚無。 6時間15分5秒。

第259夜

住宅街の僻地、古い一軒家が建ち並ぶ一角に、天狗の銅像を祀った小屋があった。周辺の家々は全員、この天狗を崇拝している。崇拝のために、ここ一帯の家の2階の窓はカエルの顔で揃えられており、各家の軒先では小豆を栽培している。また、天狗に扮して舞う伝…

第252夜

津田沼の駅中商業施設の3階には、変わった雑貨や書籍、ヴィンテージ家具などを扱うサブカルな店が数多く出店している。私は、いつものように3階フロアを端から物色して歩き周り、ひと通り周り切ったところで、フロア中央に小島のように店を構えるヴィレッジ…

第245夜

小学校の教室の1番前、先生の机の真正面にある席が、私の席である。休み時間、先生がこちらを凝視していたので、私も見ると、先生の顔の左下、頬から顎にかけて、大きな丸い黒ずみがあった。先生はおもむろにその黒ずみを指さして、「ホクロの大手術をしたん…

第238夜

車の後部座席で目覚めた。なにやら騒がしい気配がしたので、窓から外を覗いてみると、私は駐車場に置かれた乗用車の中にいて、ここは近所の住宅街のようであった。住人たちが喚きながら走り回り、あちこちで警官が交通整理をしており、混沌とした様子だった…

第231夜

休日のためか、屋内温水プールは親子連れやカップルで大いに賑わっていた。流れるプールにザブンと浸かってみると、温水は想像以上に熱く、ほとんど温泉のような水温だった。ふと隣を見ると、60代くらいの男性が、水から上がる前に力尽きたのか、プールの壁…

第224夜

そのケージの中には1匹の猫がいた。ピンクがかった薄茶色の体に所々白い毛が混ざる、トラ柄の猫だった。大きさは手のひらに収まるほど小さく、ケージの中でぎゅっと丸まり、目を細めて眠っていた。私は、このままでは猫が死んでしまうのではないかと思い、慌…

第217夜

アパートの2階にある自室のカーテンを開けると、隣家の植木の上に、私のサメのぬいぐるみが2体引っかかっているのが見えた。窓を開けて手を伸ばし、何とか掴もうとするが、ギリギリ届かない。裸足で窓枠へよじ登り、植木まで飛び移ろうかと考えたが、これが…

第210夜

虚無。 7時間17分2秒。

第203夜

早朝、大学構内の清掃アルバイトをしていた。まだ夜が明けたばかりだから、構内には人っ子一人おらず、シンと静まり返っている。 中庭の落ち葉を掃いていると、隅のベンチに小学校低学年くらいの女の子が座っているのが見えた。私は慌てて駆け寄り、「こんな…

第196夜

朝、高校へ向かうために乗り込んだ電車は、通勤通学の時間帯にしては不自然なほどに空いていた。私は座席に座って、車窓から遠くの青空を眺めながら、足元に置いていた1メートル大の巨大アーモンド豆に、これまた1メートル大の巨大泡立て器を押し当てて、輪…

第189夜

梅雨真っ只中の朝、起きると、部屋中が異様なほどの湿気で満ちており、温室のようになっていた。何事かと思いカーテンを捲ると、窓が全開に開け放たれており、バラバラと激しく降る雨が窓枠を濡らしていた。一晩中、窓を開けたままでいたらしい。窓を閉め、…

第182夜

虚無。 7時間7分30秒。

第175夜

駅を出ると大雨であった。学校までの道のりには長机が縦に並べられ、桟橋のような一本道が造られており、それに沿うようにしてテントが設営されているから、長机の上を歩いて行けば濡れる事なく登校出来た。大講堂に入ると、ちょうど、私が出演する予定だっ…

第168夜

虚無。 8時間37分37秒。

第161夜

新しい高校に編入した。初日は新学期のスタート日のため、全校生徒が大講堂に集められた。生徒は全員、講堂の床に座っているから、私も座ろうとしゃがみかけて、ポケットからボールペンを落としてしまった。ボールペンはそのまま転がり、講堂の中央に走る亀…