夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第357夜

結婚式に参列した。新郎新婦は全くの赤の他人だったが、招待されてしまった手前、参加する他ない。式場には私も含め、着飾った数百人の参加者たちがグラスを片手に歓談しており、満員電車の如く混み合っていたが、彼らの頭上3メートルほどのところに突如、大量の紙吹雪の渦が発生した。蛾の大群のように舞い上がる白い紙切れたちは、ひとつひとつは手のひらサイズの大きさで、それらが集まった大きな渦が式場の天井付近まで螺旋状に巻き上がり、そして真下に急降下した。全ての紙吹雪が漏れなく私目掛けて降り注ぎ、まるで包丁がまな板に刺さって直立するように、タンタンタン、とリズムよく胸に刺さった。私の胸部はあっという間にステゴサウルスの背中のような有り様になり、式場の全員に注目された。

6時間41分46秒。