夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第364夜

改札出ると、駅前は私と同じ制服を着た高校生たちで溢れていた。私はいつも昼過ぎに登校している身分だから、他の生徒と同じ時間帯に登校出来ているという事実に感動した。生徒たちの人波に飲まれながらも、なんとか学校まで到着すると、1階のエントランスホールでは、ひとつ下の後輩たち3人がバンドの練習をしていた。ボーカルの女の子が、マイクを握りしめたまま、気まずそうに黙って下を向いて立ち尽くしているのを横目に、私は教室のある3階を目指した。3階の廊下で、小学校からの友人と合流した。2人で教室を目指し歩きながら、友人の、「背が高く、黒髪で、上履きのつま先に色が付いているヤツはダメだ」という話で笑い合った。ふと、足元に目線を落としてみれば、隣を歩く彼女の上履きは、つま先が派手なピンク色のインクで汚れていた。彼女は私と同じくらい背が高く、そして私と同じ黒髪だった。

4時間4分46秒。