夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第271夜

虚無。 7時間20分59秒。

第270夜

中学校の校舎に取り残されたのは、私たちのクラスだけであった。ざわめく教室の中、リーダー格のポニーテールの女の子が「列に並んで」と叫び、私たちを廊下に4列に整列させた。そのまま4列を保ちながら廊下を歩き、大講堂に入場して、席に着いた。私たちの…

第269夜

虚無。 8時間7分24秒。

第268夜

ライブハウスに入ると、ちょうど転換時間のようで、照明で照らされたステージには誰も居らず、フロアにパイプ椅子を並べただけの客席では数人の客たちが静かに談笑していた。私は1番後ろの、出入り口に1番近い席に腰を下ろして、開演を待った。前方の席に座…

第267夜

小学校の昼休み、「特定の特徴を持つターゲットを全校生徒が追い掛けて捕まえる」という、借り物競走のようなゲームが始められた。校内のスピーカーが鳴り、男の声で「『普段の語尾が "だぜ" の人』と『〇〇の人』が次のターゲットだ」と伝えられたのだが、…

第266夜

虚無。 6時間15分5秒。

第265夜

虚無。 7時間38分11秒。

第264夜

100メートル先の救急車まで運ばれる2つの担架、恐らくは遺体。 8時間52分50秒。

第263夜

始業ベルが鳴り、社会の先生が教室に入って来た。クラスメイトたちがノートを広げる中、私は、机の中の教科書やらプリントやらを引っ張り出し、机の下に隠しておいたスクールバッグに次々と押し込んでいった。先生が挨拶をして、黒板の方を向いた瞬間、私は…

第262夜

会社帰りのサラリーマンで賑わう夕方の街を、線路沿いに住宅街の方へと歩いた。一軒家が建ち並ぶ途中、1軒分だけ空き地があり、光る警棒を持った警備員のおじさん2人が、空き地の中を行ったり来たり、警備していた。空き地が面する左右の家と、特に奥の家か…