夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

Tuesday

第359夜

虚無。 5時間17分51秒。

第352夜

目覚めると、窓もドアも無い部屋に1人でいた。死後の世界である。コンクリート剥き出しの伽藍堂な室内には、裸の蛍光灯がかろうじて1本光っており、床には、スマホが落ちていた。拾い上げて、電源を入れると、私が昨日、死ぬ間際に友人知人に送ったメールが…

第345夜

猛暑。 4時間55分43秒。

第338夜

中学校のダンス部の発表を観ていた。教室を半分に区切り、黒板側をステージ、後ろ側を客席に見立てて、布で装飾された黒板を背景に、10人の女の子たちがバレエを踊っていた。衣装は全員、揃いの水色のロングドレスで、右頬には、黒のアイライナーで小さくダ…

第331夜

南極の氷山頂上にある巨大な幼稚園にて、子どもたちが工作した粘土作品を見る授業参観が開かれた。講堂に並べられた木製の棚に、数百個の粘土作品が展示されており、私たち大人は、まるで美術館を巡るように、真剣な眼差しで作品を鑑賞して周っていた。突然…

第324夜

南側の窓を見ると、家の裏手に広がる芝生の庭に、十数人の強盗が立っていた。全員もれなく、武装した屈強な外国人男性で、微動だにせず、ただ仁王立ちして、じっと私の家を凝視している。私は、「今から逃げ出してもどうせ捕まるだろうから、せめて、なるべ…

第317夜

虚無。 4時間38分30秒。

第310夜

休日の昼間、超巨大ショッピングモールをぶらついていると、向こうから、80代くらいのお爺さんが1人、覚束ない足取りで歩いて来るのが見えた。つい数分前にもすれ違っており、ずっと何かを探して彷徨っている様子である。心配になったので、私はお爺さんに駆…

第303夜

虚無。 9時間4分3秒。

第296夜

修学旅行の行きの高速バスの車内にいた。この車両には私のクラスメイト30人が乗っており、その内の半分が私をいじめている側の人、もう半分が私にいじめられている人だった。私たちは次の停車場で降りる予定であり、私は「大きい荷物を手提げに入れ替えて、…

第289夜

サバイバルゲームが始まった。プレイヤーは全員ミリタリー柄の戦闘服を身に纏い、専用の競技フィールドを疾走する、5対5の本格的なチーム戦である。武器は銃ではなく、その場その場で自分でサイコロを振り、出た目の数によって自分の状況が断定される。私は…

第282夜

iPhoneの週間天気予報にて、水曜日だけ最高気温「2500度」の表示。 5時間26分23秒。

第275夜

玄関扉の上部の壁に、ネジ穴が1つ空いていた。私は鍵ではなく、アルミ製のハンガーの持ち手を、そのネジ穴に差し込み、思い切り右に回した。ガラガラという轟音と共に、家の中にある数個の部屋が、まるで観覧車のように、地中から地上へ、地上から地中へ、時…

第268夜

ライブハウスに入ると、ちょうど転換時間のようで、照明で照らされたステージには誰も居らず、フロアにパイプ椅子を並べただけの客席では数人の客たちが静かに談笑していた。私は1番後ろの、出入り口に1番近い席に腰を下ろして、開演を待った。前方の席に座…

第261夜

虚無。 10時間21分31秒。

第254夜

全校生徒数百人で動物園へ遠足に来た。ここは動物の檻のほかに、プールやログハウスがそこかしこに点在しており、まるでハワイアンズのような広大なテーマパークだった。私たち生徒には、園内を観光しながら「フレンド」を作る、というミッションが与えられ…

第247夜

虚無。 6時間20分25秒。

第240夜

虚無。 7時間0分53秒。

第233夜

虚無。 4時間53分51秒。

第226夜

校庭にあるキャンプ場の端っこで、白い鳩と黒い鳩がそれぞれ10羽ずつ、2列で整列していた。鳩たちは剥製かのように微動だにせず、全員前を向いて佇んでいた。私は鳥が嫌いなので、鳩の列を見つけるやいなや、踵を返して一目散に寮まで戻った。自室の扉を開け…

第219夜

虚無。 7時間5分54秒。

第212夜

学校の廊下にて、(1/4+1/3)×16の計算式が解けず、ノートを片手にシャープペンで書きかながら考え込んでいると、突然、窓から洪水の濁流が雪崩れ込んできた。水はあっという間に天井まで到達し、校舎は完全に水槽の有様になった。水中では濡れて文字書けない…

第205夜

中学校の昼休み、1階の学食を目指して階段を下りていくと、階段の踊り場に購買スペースができていた。2メートル四方ほどの狭い範囲をレジカウンターで囲い、中には菓子パンやお菓子が置かれている棚があって、客は外から棚にある商品を見て欲しい物を伝える…

第198夜

虚無。 5時間30分42秒。

第191夜

修学旅行当日の朝、学校前に到着したバスに乗り込み、いよいよ出発、というところで、私は、着替えなどの大きな荷物を忘れて来た事に気付いた。バスは既に高速道路に乗ってしまっている。私は隣に座る友人に「実は荷物を忘れたから、最初のサービスエリアで…

第184夜

ホラースポットを目指して郊外までやって来た。目的地の駅に降り立つと、地下鉄でもないのに構内は薄暗く、人の気配が無い。一緒に来た友人が「駅でトイレを済ませてしまいたい」と言うから、改札内の階段を降りて地下施設へと入った。廃墟ビルのような伽藍…

第177夜

小学校に大量の吸血鬼が侵入した。校舎内の廊下、全ての曲がり角で吸血鬼が牙を剥いて立っているから、私も負けじと歯を剥きながら、廊下を走って階段を上り、屋上を目指した。屋上に続くドアを開けると、真っ赤な夕日が差し込む屋外プールがあり、水泳部が…

第170夜

虚無。 8時間54分26秒。

第163夜

自室の断捨離中、引き出しから見慣れない箱が出てきたので、開けてみると、中には10センチ前後の小さな白いインコがあった。以前飼っていた子で、5年以上前に亡くなったはずである。インコは微動だにせず、綺麗に乾燥して、まだ生きているかのように固まって…

第156夜

駅前の目抜き通りへと続く住宅街の一本道、その道沿いに、アメリカ人のおじさんが1人で経営しているオープンテラスのカフェがある。おじさんは毎朝、オープンテラスのデッキ前に仁王立ちして、道ゆくサラリーマンや学生たちと挨拶をして、1人1人とハイタッチ…