夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第25夜

駅中商業施設のような中学校の廊下を歩いていた。天井や壁には、クリスマス用の煌びやかな電飾が張り巡らされており、休み時間だから、大勢の生徒たちが廊下を行き来し、騒いでいた。私は学校に飽きたので、帰ることにした。授業時間になるまで待とうと思い、トイレに入り、個室に閉じこもった。

すると、個室の扉の上部が数センチ上に伸びて、2つの覗き穴が現れた。覗き穴から人工的な仮面の目がヌッと覗き、「身長は」と聞いてきた。「168です」と答えると、仮面は「170以下の黒髪が必要だ」と言った。「じゃあ私はピッタリですね」と言うと、「君は痩せているから駄目だ」と言われてしまった。背伸びして、扉の上から外を覗いてみると、仮面を被った茶髪の頭が見えた。アンタは茶髪なのかい。仮面を掴み、剥ぎ取ると、普通の女性であった。扉を開けて個室を出ると、他の個室にも人がいた。皆、オレンジ色の粉を、太い絵筆でバスタオルに塗りたくっている。あれは何だ、と仮面の女性に聞いたが、答えてはくれず、私は「ふさわしくない」ということで、トイレから追い出された。

6時間8分1秒。