夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第2夜

オーディションを受けるために芸能事務所を訪ねると、高校進学時にお世話になった先生が出て来た。「君はあの有名な、最近ドラマや舞台で活躍している子か」と歓迎されるが、そんな事実は思い当たらない。人違いではないかと新聞を見せてもらうと、そこには、私と同姓同名の別人が、新鋭の役者として特集されていた。

横浜駅の資料館へ立ち寄った。右足首を捻挫したサッカー選手の骨格標本が横たわっていたので、これは珍しい、写真を撮ろうと思ったら、「撮影不可」と掲示されていた。有名な推理小説や貴重そうな資料集やらが収まる図書館も見物した。「近年話題のミステリー」の特設棚に、「粟図鑑」というタイトルの文庫本があった。紹介ポップには「言葉を理解できる状態のまま死ぬ本」とあった。

6時間30分28秒。