夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第352夜

目覚めると、窓もドアも無い部屋に1人でいた。死後の世界である。コンクリート剥き出しの伽藍堂な室内には、裸の蛍光灯がかろうじて1本光っており、床には、スマホが落ちていた。拾い上げて、電源を入れると、私が昨日、死ぬ間際に友人知人に送ったメールがあった。私は、自分が死ぬ瞬間の、視界が端から徐々に黒く染まっていく様子を思い出して、薄暗い部屋の真ん中で、声を上げて泣いた。

6時間22分7秒。