夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第255夜

清澄白河駅を降りると、街は薄暗く、日はほとんど沈みかけていた。公園を目指して線路沿いを歩いて行くと、線路脇のフェンスの側に三脚を立てて、こちら向かってカメラを覗き込んでいる男性がいた。私の背後に被写体があるのかと思い、振り返ると、フェンス越し遠くにオレンジ色の夕日が浮かんでいた。私は、夕日を見るのが酷く久しぶりのような気がして、ポケットからスマホを取り出し、夢中でシャッターを切りまくった。

やがて、三脚の男性の元に、幼稚園児くらいの少女が駆け寄ってきた。すると男性は、「いつもは綺麗に撮れるんだけど、今日はどうしても撮れない。ごめん」と、少女に何度も謝っていた。振り返って見ると、私は、自分が男性の三脚の、つまり、カメラの画角の目の前を塞ぐように立っていたことに気付いた。申し訳なくなって、そそくさとその場を後にした。

6時間47分2秒。