夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第249夜

北海道修学旅行の帰り、高速バスから降りると、そこは函館の高校だった。ここから更にバスを乗り換え、東京を目指すのだが、乗る予定のバスが何故か校舎内に停車してしまったため、狭い廊下から抜け出せず、私たちはやむなく、この知らない函館の高校の離任式に参加して、出発まで暇を潰すことになった。もちろん知らない先生しか居ないだろうと思っていたら、離任する先生たちの中に、祖母の姿があった。驚いて駆け寄り、聞けば、この高校の温室の担当として週3日、東京から7時間かけて出勤していたのだと言う。

祖母を見送り、校舎内を散歩していると、廊下の壁に暗い洞窟の穴が空いていた。穴の奥は先が真っ暗で見えないほどに長いトンネルが続いており、私は直感的に、これが自宅へ繋がるワープ道だとわかった。洞窟に入り、トンネルを数キロ駆け抜けて、出ると、そこは自宅のリビングだった。クラスメイトより早く帰れてラッキーだと思ったのも束の間、私は、旅行の荷物をあの学校に置いてきたことに気付いた。これから7時間かけて取りに行かなきゃならないと分かって、絶望した。

8時間33分37秒。