夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第239夜

放課後の昇降口は帰りの生徒たちで賑わっていた。横50箱×縦10箱ほどある巨大な下駄箱は、漏れなく全て鍵が掛かっていた。見た目は全部同じ下駄箱でネームプレートもないため、どれが自分の下駄箱か分からない。私がオロオロしている間にも、クラスメイトたちが次々と各自の下駄箱を開け、ローファーに履き替えて帰って行く。恐らくは、まだ開けられていない中に私の下駄箱があるのだろうが、最後の1つになるまで待つのは大変そうである。すると、私の背後からやって来た男子生徒が「〇〇がここを開けているのを見たから、その6列左、12、36、上から4番目。ここが僕たちの下駄箱だよ」と言った。彼は出席番号的に、私のすぐ上の下駄箱の持ち主のはずだった。私は言われた通り、彼が指差した下駄箱に自分の鍵を差し込んだ。

6時間59分2秒。