夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第156夜

駅前の目抜き通りへと続く住宅街の一本道、その道沿いに、アメリカ人のおじさんが1人で経営しているオープンテラスのカフェがある。おじさんは毎朝、オープンテラスのデッキ前に仁王立ちして、道ゆくサラリーマンや学生たちと挨拶をして、1人1人とハイタッチしている。どんなに急いでる人も、自転車に乗っている人も、必ず一度立ち止まって、おじさんとハイタッチする。ある朝、私は通学のために駅を目指し歩いていて、うっかりカフェの店先で転んでしまった。案の定、おじさんは一目散に私の元に駆け寄って来て、ひと言、「メアド教えて」と言った。

6時間51分18秒。