夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第63夜

高校の合宿で、国立図書館に泊まった。腰の高さの本棚が何十列も並べられており、展示場のように広い館内のずっと奥まで続いていた。私たち生徒は4人ずつの班に分かれて、本棚と本棚の間に布団を敷いて寝た。館内は一晩中、電気がつけられたままだった。寝転びながら、隣の布団の同級生と「合宿で1番最後に起きたことある?」という話をした。翌日、私は全生徒内で1番最後に起床した。あわや出発に間に合わないところだった。

合宿から学校に戻ると、校舎内は銃撃戦の最中だった。私は同じ班のメンバーと共に、階段の踊り場に身を潜めた。声を出すと襲われる。一瞬も気を抜けない状況下で、メンバーの1人が「喉が渇いた」と言い出した。私たちは飲み物買うために、1階の裏口から、向かいに建つ集英社のビルへと走った。入り口の受付嬢たちの制止を無視して中央のエスカレーターを駆け上がり、3階のスーパーマーケットの飲料コーナーからペットボトルを10本近く万引きした。異変に気付いた警備員たちが追いかけて来たが、私たちは来た道を全速力で引き返し、無事に学校まで戻ることが出来た。

6時間15分11秒。