夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第59夜

オフィス街の真ん中にある芝生の公園で、数十メートルも続く長い行列に並んでいた。先頭には大きなワゴンが置かれており、Tシャツやらワンピースやらバッグやらが山ほど入れられていた。私たちはワゴンの中から「正解」を取り出して、次の地点まで持って行かなければならない。列が進み、ようやく先頭までやって来て、私はワゴンに詰め込まれた皺くちゃの服の山に腕を突っ込んだ。掻き分けると、服やバッグに混ざって、不織布マスクの箱があった。これが「正解」だった。私はマスクの箱を抱えて公園を飛び出し、オフィス街を抜け、サバンナのような荒地を走って、第二地点であるプレハブの建物に駆け込んだ。やはりマスクの箱が「正解」だった。同じくマスクの箱を持って来た人たちが続々と到着した。「正解」を持って来られたのは、20人弱だった。やがて、1人の解説員が第三地点についての説明を始めたのだが、私は説明の意味が理解出来ず、オロオロしている間に全員が建物から出て行ってしまい、私はひとり部屋に取り残された。

9時間10分25秒。