夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第46夜

小学校の教室にて、5時間目は自習なので、生徒たちは各々好きなことをやって騒いでいた。担任の先生は椅子に座り、教卓に肘をついて、私が提出した「通り雨が」という詩を如何にもつまらなそうに朗読した。読み終わって、「こういうのを提出した人もいます」と言った。生徒たちは誰も聴いていなかった。私は居た堪れなくなり、友達の隣の席まで行って、「一緒に帰ってしまおう」と提案した。

友達は、牡丹についての絵本を読んでいた。後ろから覗き込むと、赤ピンク色の牡丹が油絵で描かれていた。友達は熱心にページをめくっていたが、私には全ページ同じ牡丹の絵に見えた。友達は、「咲いたばかりの牡丹は赤色で、成長過程でピンク色になり、枯れて茶色になる」と教えてくれた。加えて「水色の牡丹だけは、最初から水色だ」とも教えてくれた。2人で帰り支度を済ませ、勝手に教室を抜け出した。

5時間4分49秒。