体育祭で、リレーの出番を待っていた。待機場所は校舎地下1階の空き教室で、天井付近の覗き窓からグラウンドの様子が見えた。私たちのチームは7人で、内4人は他の教室、私たちは3人でこの教室に待機していた。地下だから薄暗く、私たちは押し黙って、床にしゃがんでいた。
教室の引き戸がガラッと開き、赤い甲冑を着た落武者が現れた。身体からは、周りの空気が歪むほどに強烈な禍々しいオーラを放っていた。落武者は1枚のプリントを差し出してきた。私たちが覗き込んで見ると、プリントには、色んな銀行会社のキャッチコピーが箇条書きされており、それぞれのコピーから各会社名を当てよう、という内容だった。落武者は帰って行った。
リレー始まる時間なので、立ち上がった。膝が震えているので、念入りに屈伸した。私はアンカーだから、緊張している。
6時間21分41秒。
