夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第246夜

テーマパークの一角に、海外の街並みを再現したエリアがある。カフェやお洒落な雑貨屋が立ち並ぶ通りには、地下へと続くコンクリート打ちっぱなしの階段があり、降りて行くと、ライブハウスの入り口があった。ダンスショーが見られる施設である。入り口前のチケットカウンターで予約する必要があるので、「14時から1人、見れますか」と尋ねると、カウンターのお姉さんは唐突に、早口で5桁の数字を言い放った。そして、「聞き取れましたか?この1回しか言いません。私が言った数字をここに書いてください」と、予約表が挟まれたバインダーを雑に私の方へ押し出した。私の名前と、お姉さんが言っただろう数字を書いて、渡すと、お姉さんは「数字が合っていたら、予約確認のお電話を差し上げます」とぶっきらぼうに言った。お姉さんは終始、無表情である。私は階段を上って、地上へと戻った。通りは、テーマパークを楽しむ家族連れやカップルで賑わっていた。私は、なんだか急に全てが馬鹿馬鹿しくなり、悲しくなってしまって、テーマパークを出て駅まで走った。

6時間19分39秒。