夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第212夜

学校の廊下にて、(1/4+1/3)×16の計算式が解けず、ノートを片手にシャープペンで書きかながら考え込んでいると、突然、窓から洪水の濁流が雪崩れ込んできた。水はあっという間に天井まで到達し、校舎は完全に水槽の有様になった。水中では濡れて文字書けないから、私はノートとペンを手放した。仕方がないから、透き通る水中の廊下を泳いで、屋上を目指すことにした。途中でクラスメイトたちと合流し、皆で群になって泳ぎ、屋上へ続く扉を開くと、水は膝下ほどの水位で、屋上一面が湖のようになっており、水面が夕日を反射してキラキラと輝いていた。クラスメイトの1人が唐突に、校舎壁面の観音扉を開け放った。途端に、穴の空いた水槽の如く、校舎内を満たしていた水は轟音と共に勢いよくグラウンドへと吹き出した。巨大な滝のようであった。

6時間5分56秒。