夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第145夜

ヘリコプターで、雑居ビルの屋上に降り立った。50坪ほどの正方形の屋上を、真っ二つに分断するように高い壁が建てられており、壁中央には2メートル四方の正方形の大きな穴が空いていた。穴にはガラスも鉄格子も無く、ただぽっかり空いた「壁穴」なのだが、穴を挟んだ向こう側には、体長10メートルはあろうかという巨大な白熊が歩き回っていた。私は屋上に降り立った瞬間に白熊と目が合ってしまい、命の危険を感じて直ぐに屋上の隅まで逃げたが、白熊は壁穴を潜り抜け、牙を剥きながら私に向かって突進して来た。

7時間53分40秒。