夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第117夜

玄関出ると、いつも通り静かな街の景色である。1人でぶらぶら散歩していると、住宅街の家と家の隙間から、遠くの空にマチュピチュのような丘が浮かんでいるのが見えた。振り返ると、住宅街は住宅街でも、ヨーロッパのような街並みに変貌していた。ハッとしてあたりを見回すと、この街全体を、プラスチック製の高い壁が一周囲んでおり、さながら「進撃の巨人」のような有様になっていた。巨人の代わりに、プラスチックの壁の外を、超巨大なウルトラマンが、1人でゆっくり歩いている。巨大ウルトラマンが支配する「住宅街」という1つの箱庭に、私は閉じ込められていた。

5時間45分16秒。