夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第102夜

卒業式の前日、放課後の廊下で、特に仲が良かったわけではないクラスメイトの女子に呼び止められた。彼女は「明日、卒業生代表のスピーチするために、スミレの花から私への伝言を聞いてきて欲しい」と言った。私は、スミレの花が何処に咲いているかすら知らないので、質問すると、スミレは砂浜や川沿いの土手など、開けた場所に咲いているという。私は「1000円で承るよ」と言った。彼女は頷き、手に持っていた大きなジップロックから長ネギを80本取り出して、「これで1000円ってことで」と、私に渡した。

6時間12分28秒。