夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第79夜

学校から逃げなくてはならなくなった。教室には私以外に誰も居らず、これから数名の追っ手が私を目指してやって来るらしい。私は教室から出て、廊下を走って、音楽室へと駆け込んだ。窓を開けて下を覗き込むと、ここは3階だった。窓から身を乗り出し、窓枠に手を掛けて、そのまま校舎の端まで外壁を這って移動した。中庭に飛び降り、校門まで走って行くと、ちょうど追っ手の1人が校門から入って来るところだった。追っ手は、私と同じ背格好、私と同じ顔をしていた。私がポケットから銃を取り出すと、相手も同じように銃を取り出した。私たちは数メートルの距離で向かい合い、お互いを見つめあったまま、各々自分の喉元に銃口を突き付けた。私と私が、自分を人質に取って睨み合った。

6時間44分52秒。