夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第44夜

高校の卒業式が終わり、同級生たちと共に、そのままの足で大学へ向かった。全員、高校の制服姿であった。大学の門をくぐり、玄関ホールに入ったが、校内は休日のように閑散としている。始業は14時20分からだと聞いていたが、一向に始まる気配が無い。同級生たちと話し合い、職員室に内線電話を掛けてみることにした。玄関ホールの壁の受話器を取り、「14時20分からですよね」と聞くと、半笑いで「一応そうですけど」と言う女性教員の声が聴こえた。

玄関ホール脇の書棚コーナーで、知らない青年と意気投合した。話が盛り上がり、握手を交わしたが、青年はスッと消えてしまった。幽霊であった。呆気にとられる私に、友人が駆け寄って来て、教えてくれた。私は元々、霊感など無い人間だったが、霊感あるこの友人が、私に誤って「霊感が得られる石」を飲ませてしまったため、見えるようになっていたという。友人は泣きながら謝ってくれた。

6時間48分27秒。