夜間日記

2022年8月1日~2023年7月31日

第232夜

卒業式当日、教室で最後のホームルームが始まった。先生が「曲を1人ワンフレーズずつ歌っていこう」と言い、1番前の席の生徒を1人指名した。前の席から順番に1人立ち、ワンフレーズ歌ったら座り、次は後ろの席の人が立って歌う、という形である。私は1番後ろの角の席だから、席順的に1番最後になった。いよいよ順番が来て、私は勢いよく立ち上がり、ラストサビのワンフレーズを思い切り歌いだすと、途端に教室中が苦笑いでどよめいた。先生が「感情は込めずに正確な音程で歌って」と言った。私は、無感情に歌うと音程すら取れなくなってしまう。結局、お経のように平坦に歌い終え、席に着いた。呆れと苦笑いの拍手がパラパラと響いた。最後のホームルームだというのに、自分のせいで締まらない雰囲気になってしまい、泣きたくなった。

8時間10分55秒。